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肝胆膵外科
肝臓:肝疾患で外科手術の対象となるのは主に肝細胞癌と転移性肝癌です。肝細胞癌ではラジオ焼灼療法が普及しましたが、症例の蓄積により、外科側からは径2cmを超える腫瘍では切除が妥当との報告がなされるようになっています。また近年、化学療法の進歩から、従来切除の対象とならなかった多発肝転移が治療後切除対象となる事例が増加しています。抗癌剤治療後の肝臓はblue liverとして独特の外観を呈しており、切除した感触ではもろい印象があります。正常肝とは別に扱うべきと考えますが、blue liverの評価法等は今後の検討課題です。

当科における肝癌手術症例とRFA症例の年次推移

当科における2008年肝癌症例の内訳

亜全胃温存膵頭十二指腸
切除術の再建
胆道・膵臓:膵頭部領域の悪性疾患の治療に関しては膵頭十二指腸切除術( PD )が主体となります。PDでは未だに種々の再建法が存在しています。全国統計では幽門温存膵頭十二指腸切除術(PpPD)がまだ主体ですが、胃排出遅延( delayed gastric emptying DGE )が問題で、経口摂取が遅れ、入院期間の延長を来たす事がありました。当院では亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)という幽門のみを切除し、胃の殆どを温存する方法を取り入れ、術後4/5日で経口摂取が開始できるようになっています。また、膵胃吻合は縫合不全が低率である報告が多いのですが、長期的な内外分泌能の低下が問題となっています。膵空腸吻合では術後膵液瘻が問題ですが、最近では密着吻合法・no stent等でその頻度は減少し、大網を用いたomental flapにより術後腹腔内出血は殆どみられなくなっています。また、drain管理も早期抜去が主体で1週間以内に抜く事で術後感染も減少しています。

antegrade pancreatosplenectomy
膵体尾部癌に関しては、標準術式が無いとされてきましたが、近年、血管処理・膵切離を先行するantegrade pancreatosplenectomyという方法が、根治性に優れているとの報告があり、当院でも取り入れています。また、従来切除困難とされた腹腔動脈浸潤例にも術前放射線化学療法の導入やApplby手術といった積極的な治療の効果が紹介され、症例次第で当院でも導入を考えています。さらに膵体尾部切除の膵液瘻の発生頻度は通常20%前後と膵頭切除よりも高率ですが、当院ではソフト凝固という特殊な機械を用いた膵断端のsealing等で、その軽減を図っています。

当科における2008年胆道手術症例の内訳

当科における膵臓手術症例の年次推移
★外科手術の対象外でありますが、近年、自己免疫性膵炎やIgG4関連硬化性胆管炎など一見、膵癌や胆管癌と判断してしまいそうな炎症性疾患も注目されております。ともすれば切除不能癌と判断される場合も考えられます。

IgG4関連硬化性胆管炎症例の胆道造影所見

IgG4関連硬化性胆管炎症例の切除標本所見
当院はがん治療拠点病院であり、cancer board として内科・外科・放射線科・(病理)合同で症例検討を行っております。 お困りの症例が御座いましたら是非とも御紹介お願い致します。








