当科では病気やケガをされて間もない入院中の患者様を主な対象として、理学・作業、そして平成19年4月からは言語聴覚・摂食機能を加えた各療法をおこなっています。リハビリ科医長を中心に心大血管・脳血管等・運動器・呼吸器の各専任医及び理学療法士9名、作業療法士4名、言語聴覚士1名が患者様の1日も早い社会復帰をめざし力を合わせ業務に取り組んでいます。平成19年度に取り扱った延べ件数は理学療法31,695、作業療法13,728で、1人1日当たりではそれぞれ約21件、約20件でした。また疾患別比率(新患比率)は図のとおりです。
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| 疾患別比率(理学療法) | 疾患別比率(作業療法) |
従来から取り組んできた心臓リハビリも昨年度から本格的に稼働し、循環器科・心臓血管外科との綿密な連携のもと、さらに質の高い内容を提供できるよう検討を重ねています。 以下に各療法の紹介とその現況を示します。
■理学療法
・心大血管リハビリ
・呼吸器リハビリ
■作業療法
■言語聴覚療法
■摂食機能療法
理学療法は骨、関節、神経、筋、脊髄、脳などの外傷や疾患により生じた運動障害を保存的に治療する療法のひとつです。起きる、座る、立つ、歩くなどといった基本的動作能力の向上を目指し種々の運動療法、動作訓練等を組み合わせておこないます。当院では痛みや苦しさを伴う訓練ではなく、過負荷に最大限注意しながらその人の病期、病状に適した方法を工夫するようにしています。対象としては脳血管障害や脳腫瘍等の術後、外傷、骨折、脊椎の術後及び肺炎等の治療で動作が阻害された患者様が中心となっています。
また、最近は心臓疾患や呼吸器疾患などの内部障害に対するリハビリも積極的に取り組んでいます。いずれにしても最終的な目的は日常生活における諸活動を取り戻すことにあります。

リハビリ室
当院では平成18年4月より心大血管リハビリに取り組んでいます。「心大血管」とは難しい言葉ですが、主に心臓と大きな血管のことを指します。具体的な対象疾患としては急性心筋梗塞、狭心症、心不全、心臓手術、大動脈疾患、閉塞性動脈疾患などが挙げられます。
少し前までは心臓の病気・手術というと長く安静にしていることが多かったのですが、現在は症状に合わせて運動することで早い回復や再発防止ができることが分かっています。当院でも主治医の指示のもと、早期からのリハビリ開始に努め、CCUからのリハビリ介入も行っています。具体的には病棟での全身運動、基本動作訓練、歩行訓練などの他、手術を受けられる患者様に対しては術前術後の呼吸・排痰訓練なども指導しています。また状態が安定すればリハビリ室でストレッチや全身体操、エルゴメーター・トレッドミルといった器具を使ったトレーニングを行っています。
さらに毎月第2・4週目に医師・看護師・薬剤師・栄養士と協力し、西4病棟にて「心臓リハビリ教室」を開催し、患者様やご家族に対し心臓や血管に関する病気・治療の理解を深めるお手伝いをしています。
また心臓カテーテル検査(1泊2日、2泊3日)の患者様に対して在宅での運動方法についてパンフレットを作成し退院時に説明しています。
現在は理学療法士人でチームを組み、主として患者様の治療にあたり、その他心臓リハビリ教室の開催やカンファレンスへの出席など積極的に活動しています。
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| 心臓リハビリ | 心臓リハチーム |
呼吸器リハビリは、肺や胃など上腹部の手術後および慢性閉塞性肺疾患等で日常生活能力の低下を来している患者様が主な対象となります。
治療目的は術後の患者様に対しては積極的な呼吸訓練や早期離床を促すことで、無気肺や肺炎等の術後合併症を予防し早期に日常生活を取り戻すことにあります。慢性閉塞性肺疾患等の患者様に対しては呼吸法や排痰法の指導、また歩行等の動作訓練もあわせて行い呼吸困難感の軽減や全身状態の改善を計り早期の社会復帰を目指します。退院時には呼吸法、呼吸体操、体力維持のための運動等の患者指導を行います。
術後は1~3病日から、慢性閉塞性肺疾患等は主治医と相談し開始しています。理学療法士4名で対応いたします。

呼吸介助
作業療法では、けがや病気で身体に障害を持った方々に対し、今後生活していくための問題を評価し、いろいろな作業活動を用いてそれらを治療します。「作業」というと“工作”“労働”をイメージしがちですが、作業療法の「作業」とは、食事やトイレ、着替えといった日常生活動作また趣味活動、遊びといった人間の生活全般に関わる様々な活動を指しています。これらの作業活動を手段として、機能の回復を促し、また障害があっても残された機能を最大限に活用し、主体的な活動の獲得を図ります。
当院では、早期より起き上がり・移乗といった手段を用いて離床を促し、全身状態の改善、廃用予防を行います。その後も実際の生活場面である病棟内での関わりを重視し、日常生活動作(食事,トイレ,更衣,整容,家事動作)の獲得、維持を図ります。例えば、食事訓練では実際の食事に介入し、姿勢、スプーン・箸の使用方法、食べ物に対する認識などについて治療します。出来ない部分は注意を促したり、介助することで対応していきます。このような訓練を繰り返すことは、身体機能面・高次脳機能面への働きかけにもなり、生活の活発化を促します。必要に応じては、環境の調整や、自助具といった道具を使用することで、その人に足りない動きや力を補えるよう工夫しています。また、病棟でおこなっていることなので、訓練でできたことは実際の生活に即座に反映されます。
対象者としては、脳血管障害で麻痺や高次機能障害を持った人、骨折などで日常生活に支障をきたしている方が中心となっています。また今年度からは新生児集中治療室(NICU)での療育にも積極的に取り組んでいきます。作業療法士4名で対応しています。

作業療法
人間の持つコミュニケーション能力は高度で複雑です。ある日突然、コミュニケーション手段を失ったとき、どのような深刻な問題を引き起こされるか、容易に想像できることでしょう。
当院では言語障害、難聴、言語発達遅滞などの「聞く、読む、話す、書く」といったコミュニケーション障害に対して、必要な検査や治療を行い、機能回復や障害の軽減を図り、社会復帰への援助を行っています。
また、たとえ話し言葉では伝えることができなくなった場合でも、代償的コミュニケーション手段など用いて意思を伝えられるよう訓練や指導も行っていきます。

言語聴覚療法
口から食べるということは、人間が本来持っている欲求であり、非常に重要な行為です。それだけに、摂食、嚥下障害と呼ばれる「食べる」「飲み込む」障害をもたれた患者さんの苦しみは計り知れないものがあると思われます。
当院ではそれぞれの障害の状態に応じて、嚥下機能の改善のための口腔器官の運動や用手的マッサージ、嚥下反射強化訓練などの摂食・嚥下のリハビリを行っています。又、誤嚥防止の観点のみならず、口から食べる楽しみを尊重し、摂食方法や適切な体位や環境などにも配慮を行いながら取り組んでいきます。

摂食機能療法