これから心臓血管外科が目指すこと
平成12年から、当時の国立岩国病院、心臓血管外科医師として2度目の着任となり、この度、平成16年より、心臓血管外科医長として、チームの舵取りを行っております。
私の簡単なプロフィールとともに、心臓血管外科チームの紹介をさせていただきたいと思います。
私は、山口県宇部市で生まれ、小学生までを豊浦郡西市という盆地の小さな町でのびのびと過ごしてきました。今も蛍祭りの行われる、美しい川を持つ町です。宇部高校、岡山大学を卒業後、岡山大学第一外科に入局しました。以後、心臓病センター榊原病院心臓血管外科で、当院心臓外科創設者の畑先生の指導のもと研修を積んだ後、国立循環器病センターレジデント、シニアレジデント、Royal Children's Hospital, MelbourneのSurgical Fellowと、トレーニングを積みました。平成8年に一回目の国立岩国病院着任、そしてインドネシアのジャカルタにあるNational Cardiac Center, Harapan Kita Hospitalの小児心臓外科医として2年働いた後、2回目の国立岩国病院への着任となり、岩国医療センターで4年目を迎えています。
さて、この8月より、当院心臓血管外科も様変わりしまして、宍戸医師、大谷医師ともども、それぞれに非常に特徴を持った医師の高い技術集団となるべく、日々努力を続けているところです。大谷医師は、心臓病センター榊原病院からの転勤で、膨大な心臓手術の経験を有し、新しい技術を導入してくれました。宍戸医師は川崎医科大学の正木先生に師事し、赴任以来、主に下肢の動脈、静脈疾患に関してはopinion leader的存在として、当院に新しい知見、治療をもたらしてくれています。私はというと、メルボルンではTom R Karl、ジャカルタではJusuf Rachmatなど世界の一流外科医等から直接得た技術を活かすべく、日々手術とそのトレーニングを行っています。インドネシアでは子供の手術費用を捻出できないご両親が多く、節約手術を心がけてきました。3人とも、国内外の学会、研究会に積極的に参加し、新しい技術、知見の習得に励んでいます。
心臓手術に関しては、以前にもまして早期退院が可能なように、より低侵襲で短時間な手術を心がけ、弁膜症手術では約2時間半、冠動脈バイパス術は3時間、ICU滞在は1日、術後入院期間は1週間から2週間が標準となるように技術の向上を心がけています。腹部大動脈瘤は、小切開手術を行うことで、手術は2時間、術後1週間の退院をめざします。今後の最重要項目のひとつが胸部大動脈瘤の手術で、一般にはいまだhigh riskの分野ではありますが、当院では現在手術成績も安定しており、手術時間も4時間半~6時間となっています。
下肢の静脈疾患は、近年、エコノミークラス症候群の名前とともに脚光を浴び、学会でも議論が盛り上がっています。下肢静脈瘤については、当院では年間100例もの患者様の治療に当たらせていただいています。過去、硬化療法を積極的に行ってきましたが、多くの再発例を認め、現在は、大伏在静脈の逆流を認める症例には、ストリッピング手術を積極的に行うようになりました。ストリッピング手術も、以前と違い、局所麻酔による内幡法で行い、日帰り手術も可能です。
ここ2~3年、脚の腫れを主訴に外来受診される患者様が増えています。下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、静脈弁不全、リンパ浮腫など、局所に原因のあるものは、当科で対応いたしますし、他の全身疾患の鑑別も必要です。お気軽にご相談いただければと思います。
閉塞性動脈硬化症をはじめとする下肢動脈疾患は、近年、疾患概念の啓蒙も高まり、以前では足が壊死した状態になってようやく当科を受診するという状況でしたが、現在はごく初期の間歇性跛行の段階で紹介していただき、救肢・QOLの改善、また、血管疾患のハイリスク群としての認知・教育をおこない、脳血管・冠動脈疾患の予防・早期発見を行っています。
以上、われわれのチームを紹介させていただきました。24時間対応いたしておりますので、お気軽にご相談ください。
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↑研修医は、普段から糸結びの練習を行なう |
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↑心臓外科手術は、麻酔科医師、人工心肺を操作する臨床工学士、器械出しの看護師、心臓外科医など、10名ほどのチーム作業として行なわれる。 |
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