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当院消化器科においては、主に消化管内視鏡を用いて、消化管(食道・胃・大腸)及び胆膵の検査(診断)・治療を積極的に行っています。
年間の検査兼治療件数は上部消化管内視鏡 3123 、下部消化管内視鏡 1394、,胆膵内視鏡( ERCP ) 248 件(平成 20 年)です。
とくに内視鏡的粘膜切除術( EMR )/内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD) 、ステント留置術( stenting )、胆管結石除去術、止血術、経皮内視鏡的胃瘻造設術( PEG )など内視鏡的治療に重点をおいています。
それ以外にも進行癌に対する非手術療法(化学療法や放射線療法)、潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法やクローン病に対する抗 TNF- α抗体療法などにも積極的に取り組んでいます。
さらに、平成20年7月には、カプセル内視鏡を導入し、今後は小腸内視鏡にも力を入れていく予定です。
また当院は山口県東部の中核病院であり、救命救急センターも併設しているため、 緊急内視鏡検査(潰瘍出血、静脈瘤破裂、異物除去、下部消化管出血、胆管結石など)の件数が多く、年間約 200 件を 24 時間体制でこなしています。
内視鏡検査は月~金まで毎日行っております。胃内視鏡検査は朝絶食で来院すれば、その日に受けられます。大腸内視鏡検査も翌日以降いつでも都合のよい日に予約できます。ただし、ポリープ切除など治療の場合は入院が必要となります(ERCPも要入院)。内視鏡室には検査台が3台(3部屋)あり、患者さんのプライバシーを守りながら検査を受けていただけるように配慮しています。
また要望に応じて適宜、麻酔を行っており、可能な限り楽に検査を受けていただけるように配慮しています。検査後もゆっくりと休めるようにベットなど十分なスペースをとっています。検査は指導医あるいは専門医の監視下のもと行われ、リアルタイムで確実な診断・治療ができるようにしています。なおレントゲンが必要な検査・治療に関しては、放射線科で行っています。内視鏡グループは看護師も含め、チームワークがよく、フットワークも軽く、緊急検査も、365日24時間体制で、速やかに確実な治療ができるよう万全を期しております。
※肝臓疾患に関しては当院では内科での診療となります。消化器科では扱っておりませんのでご注意ください。
消化器科: 0827-31-7121(内線3020 )

食道がん
早期癌と進行癌にわかれます。早期癌に対しては、深達度が浅い病変、すなわち、比較的小さくて平坦な病変を内視鏡的切除の適応としています。
内視鏡的切除は2チャンネルスコープを用いたEMR(Endoscopic Mucosal Resection; 内視鏡的粘膜切除術)を基本としていましたが、最近ではESD(Endoscopic Submucosal Dissection; 内視鏡的粘膜下層剥離術)を行っています。
残が確認された場合には、アルゴンプラズマ凝固法(APC; Argon Plasma Coagulation)や放射線照射にて追加治療を行っています。
切除不能進行食道癌に対しては、化学放射線療法を積極的に行っています。またQOL向上を目的として、食道ステント留置も積極的に行っています。
胃がん
早期癌と進行癌にわかれます。
早期癌に対しては、①粘膜内病変・分化型・潰瘍なし・大きさは問わない②粘膜内病変・分化型・潰瘍あり・3cm 以下をESD の適応としています。 ESD はフラッシュナイフとITナイフで行っています。
遺残が確認された場合には、再ESDやAPC や外科的切除にて追加治療を行っています。
切除不能進行胃癌に対しては、化学療法を積極的に行っています。
TS1 + CDDP 、タキサン等により、従来考えられていた以上の良好な成績が得られています。
また当院では、 QOL 向上を目指して、外来化学療法も積極的に行っています。
大腸がん・ポリープ
深達度が浅い早期癌と 5mm 以上のポリープ(腺腫)をEMRの適応としています。
また、深部大腸の進行癌による腸閉塞に対しては、まず、緊急に経肛門的にイレウス管を挿入し、腸閉塞を解除して、手術を施行するようにしています。
膵・胆道がん
閉塞性黄疸で発見されることが多いため、まず、診断と減黄術をかねて ERCP を行います。
内視鏡的減黄術には内視鏡的経鼻胆管ドレナージ( ENBD ;外瘻)と内視鏡的(経乳頭的)胆管ドレナージ( E(R)BD ;内瘻)があり、 EBD には SEMS(self expandable metallic stent ) とチューブステントを使用する場合があります。
これらの手技を症例に応じて使い分けています。
またERCP困難例に対しては経皮経肝的胆管ドレナージ術( PTCD )を行い、切除不能症例には PTCD ルートより SEMS 挿入を行います。
切除不能膵胆道癌に対してはジェムザール・ TS-1 を中心とした化学療法を積極的に行っています。
消化管出血
潰瘍出血や憩室出血に対しては、クリッピングを中心に適宜、純エタノールやHSE局注も併用しています。食道静脈瘤破裂に対しては、静脈瘤結紮術 (EVL)にてピンポイントの止血を行い、後日、内視鏡的静脈瘤硬化療法・結紮術同時療法(EISL)を追加しています。
最近、胃静脈瘤破裂の症例も増加 してきており、まず、ストマックバルーンで圧迫止血後、可及的速やかにバルーン遮断下逆行性静脈瘤塞栓術(BRTO)を行っています。
胆管結石治療
胆管結石除去のための乳頭開放の手段としては内視鏡的乳頭筋切開術(EST)を基本としていますが、症例により乳頭バルーン拡張術(EPBD)も行いま す。
また大結石に対しては、ENBD下体外式衝撃波破砕装置(ESWL)を併用しています。
急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)を合併している症例や一期 的に採石できなかった症例に対しては、いったんチューブステントによるEBDを行い、後日改めて完全採石を行っています。
経皮内視鏡的胃瘻造設術( PEG )
当院の特徴として、高齢者が多いことがあげられます。従って脳血管障害等にて経口摂取不能になった患者さんも多く、これらの患者さんを対象に長期栄養管理のため、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG;ペグ)を積極的に行っています。PEGを積極的に行うことは、在宅医療の推進につながり、また周辺の長期療養型病院への転院もスムーズになるため、これからの超高齢化社会においても、非常に重要な治療になると考えられます。また、PEGチューブは約6ヶ月毎に交換が必要ですが、外来で交換可能です。
食道胃静脈瘤治療
食道静脈瘤に対してはEISLを基本にしています。
胃静脈瘤に対してはBRTOを基本にしています。BRTO不能症例はアロンアルファによるEISを行っています。
バルーン拡張術
術後の吻合部狭窄や、進行食道癌の放射線化学療法後の狭窄や、食道炎による食道狭窄など主に消化管狭窄に対してバルーン拡張術を行っています。
イレウス管挿入
当院では腸閉塞(イレウス)症例が多く、内視鏡補助下に上部・下部(経肛門的)イレウス管挿入を数多く行っています。
潰瘍性大腸炎・クローン病(炎症性腸疾患)
潰瘍性大腸炎に対する白血球(顆粒球)除去療法は、難治例を対象に、現在まで約20例行っており、緩解導入率は約90%、緩解維持率は約67%であり、他 施設と比較しても遜色のない結果です。 またクローン病に対する抗TNF-α抗体療法(レミケード)は、現在約十数例行っており、緩解維持目的で数ヶ月毎に 定期的に投与しています。 今後、炎症性腸疾患は増加していくものと考えられており、このような治療の機会が増えるものと思われます。
経鼻内視鏡
最近、口からの(経口)内視鏡より苦痛が少ないということで、極細径(直径5~6mm)の内視鏡を使った鼻からの(経鼻)内視鏡が普及してきています。
当科でも平成19年4月より、経鼻内視鏡を開始しました。
挿入時の嘔吐反射が少ない、会話可能、身体の負担が少ない、鎮静剤が不要等のメリットがあり、胃癌 検診に威力を発揮するものと考えます。
ただし、麻酔時やスコープ挿入により、鼻を傷つける可能性(鼻出血等)があることや、鼻くうの状態によってはスコー プが挿入できないことがあり、その場合は経口に切り替える可能性もあります。
また精密検査や治療が必要な場合は、従来の経口となります。





